2010年8月23日月曜日

成熟したオンラインゲームのこれから―6周年のシールオンラインが「交流サーバー」導入

新作オンラインゲームのニュースは百花繚乱、美しいグラフィックのスクリーンショットや、派手なイメージイラストがゲーム関連ニュースサイトを賑わせている。一方、既存のオンラインゲームは、趣向を凝らしたアップデートを重ねて、サービスを継続していく。

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息の長い運営を続けるには、絶え間ない努力が必要な
のがオンラインゲームだが、サービス開始から長い時間を経たオンラインゲームはどのように運営されているのだろうか。2010年3月30日に6周年を飾る大規模アップデートを控えた「シールオンライン」を運営する株式会社 YNK JAPAN に話をうかがった。

シールオンライン(Seal Online:以下、シール)は韓国のグリゴン?エンターテインメントが開発、日本で 大航海時代 rmt 最安値
は2003年にオープンβテストを実施、2004年に月額課金方式で正式サービスを開始し、2005年には基本無料化されアイテム課金によるサービス提供に移行した。開発は現在、YNK KOREA が行っている。

かわいらしいキャラクターとコミカルなバイル(モンスター)が大きな特徴で、当初は対人戦がなく、PK(プレーヤーキラー)が存在しなかったこともあり、
日本人好みのほのぼのとした MMORPG として人気を集めてきた。

シールは今年で満6周年を迎え、7年目に突入する。このタイミングで大規模なアップデートが実施され、プレイヤー待望の「交流サーバー」が導入される。

● 新タイトルでも旧タイトルでも運営の労力は同じ

シールを提供する YNK JAPAN は非常に個性的な会社で、社員のほ rmt
とんどがゲーム業界の出身ではなく、サービス業からの転身者が多いという。接客を経験していることから、ユーザーを第一に考えたサービス提供が強みだ。

社内のイメージは、日本人が6割、韓国人が4割だが、韓国人社員の全員が日本語ができるという。なお日本人のほうは、韓国語ができる社員は1人だけとのこと。

インタビューに応じてくださ
ったのは、SEAL チームの岩下健氏と、数名の本部長クラスの方々。

YNK JAPAN では、CBT(クローズドβテスト)を間近に控えた「AilaOnline」や、最新タイトルとなる「81Keys」など、新作タイトルも意欲的に発表している。既存ゲームのプレイヤーは、新作が登場するたびに気を揉むものだが、「新タイトルでも旧タイトルでも運営の労力は同じ」という。


古い家ほどメンテナンスの手間が増えるのと同じで、アップデートを重ねて複雑化した既存ゲームは、直すべき箇所が増え、常に全力で対応する必要があるというのだ。

● 固定化してしまったコミュニティ間をつなぐ「交流サーバー」

オンラインゲームというものは、最初の数年しか発展しない。その後はプレイヤーのニーズに合わせて変
化していくのが一般的だ。今回の大規模アップデートで実装される「交流サーバー」は、その「ニーズに合わせた変化」としての一つの解答だ。

シールでは、これまで数回のサーバーの追加や統廃合を実施しており、「龍」と「朱雀」の2つのサーバーが存在する状況となっている。この2つのサーバーは互いに統合されたことはないため、コミュニティは分断
されたままだった。(前回の統合では、1サーバーと4サーバー、2サーバーと3サーバーが統合して、それぞれ「龍」「朱雀」となった)

「交流サーバー」では、2つのサーバーのプレイヤー同士がアイテムの交換?売買ができるだけではなく、新たに実装される交流サーバー専用のマップで一緒に狩りを楽しんだり、PvP(対人戦)を行うこともできる。


最強のギルドを決める「ギルドバトル」でもついに、すべてのサーバーの中での最強ギルドが決定することとなる。サーバーごとの最強ギルドしか決められなかった前回のギルドバトルのケリをつけるべく、前回とほぼ同じレギュレーションで実施されるとのことだ。

また、新たに第3のサーバーも導入される。これまで集めてきた装備や資産を新し
いサーバーに持ち込んで、一からキャラクターを育てなおすことも可能だ。

一方、各サーバーのセレクトは3つから2つに統合される。人気のマップが混雑されることが予想されるが、新サーバーの追加でプレイヤー数のバランスが変わることもあり、調整は致し方ないところだ。岩下氏は「人気のマップを単純にセレクト数で増やすより、さらに魅力的なマッ
プを追加することで対応したい」という。

● かゆいところに手が届く「ニーズに合わせた変化」

交流サーバーや新マップ、モンスターの追加だけではなく、細かい変化も数多く用意されているようだ。

中でもプレイヤーの注目を浴びているのが、モールアイテムの露店販売が可能となる「プレミアム露店」。課金アイテムをユーザー間で売
買することが可能となるので、「ラビキャッチャー」(一般的に「ガチャ」と呼ばれる抽選販売)で余剰しているアイテムなどを有効に処分できる。

なお、取引できるのは有効期間が設定されていないもののみ。コスチュームなど、モールから取り出した瞬間に有効期間のカウントが始まるものは取引できないとのことだ。

さらに細かいところでは、
小分けになっていたモールアイテムをスタックできるようになる。まさにニーズに合わせた変化、といえるだろう。

● プレイヤーのため、開発チームとの交渉は続く…

岩下氏は6周年の感想として、「今後も変わらない世界を提供し続けます。シールの楽しさ、可愛さは永遠です」と述べる。次々と現れる新タイトルを見ているとプレイヤーは不安にな
るものだが、岩下氏は「安心感を伝えたい」とも述べている。

シールのサービスを続けていこうという YNK JAPAN の意志は固い。インタビューに答えてくれた YNK JAPAN のスタッフの方々は「(シールを)やめる気は一切ありません!」と語気を強める。

彼らは実際にシールをプレイしており、自腹で課金までしているという。岩下氏は2?3,000円ほ
どという価格の課金アイテムのコスチュームを2?30着も自腹で購入しているというから、その本気度がわかる。

自腹でプレイしているだけに、一般ユーザーが持っているゲームバランスに対する不満は、十分すぎるほど理解している。企画パートブログ「企画者の苦悩」を見れば、YNK JAPAN がユーザーの持っている不満を理解していることも、タイトルどお
り、韓国の開発チームとの交渉がいかに困難を極めるのかも伝わってくる。

調理システム一つ変更するのに7か月もかかったというのだから、バランスの調整の交渉はさらに過酷だろう。1つのマップにモンスターを1体追加することすら、運営側では勝手にやることはできないという。バランスの鍵を握っているのはあくまで開発チームなのだ。

プレ
イヤーのため、「ニーズに合わせた変化」のため、開発チームとの交渉は続く。「歩みは確かに遅いかもしれませんが、止まっていないし、熱意を持ってやっています。待っていてください」(岩下氏)

企画パートブログによると、今回のアップデートに際して、韓国の開発チームが来日して作業するという。もし何か不具合があったとしても、迅速な対応が
期待できそうだ。日本でのサービスの現状を開発チームに理解してもらうきっかけになることにも期待したい。

6周年、7年目を迎えたオンラインゲーム「シールオンライン」は、これからもその歩みを決して止めることなく、プレイヤーの期待に一つひとつ応えていくことだろう。

※当記事は DTC Japan の提供する MMORPG 情報サイト「Sgame」と
の共同インタビュー記事です。

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引用元:RMT(リアルマネートレード)専門サイト『RMTワンファースト』